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名言についての所感  伊坂幸太郎篇  3/5

 田中は鉄の棒を手に取りその強度を確かめると、先ほどの傘の柄の形に曲げ始めます。それを網の間に差しこみます。どうなったでしょうか。カギは簡単に針金に引っ掛けられ、難なく拾い上げることに成功しました。

実はこれは「日常に潜む軽い危機を脱出する作戦☆」というシミュレーションゲームの中の、初歩の1ステージの話にすぎません。しかし実際にこのような状況に見舞われたときに、人はこのことを思い出すのではないでしょうか。そして手近にある、手で加工できて、ある程度強度と長さのある物体を探すのではないでしょうか。このことはこの都合のよいゲームを体験していたから素早く対応できるのではないでしょうか。

そんな簡単な状況は起こらないよ、と思われるかもしれません。しかし実際田中はこののち、後輩が仕事帰りに酔っ払って、不注意で落としたカギをこのゲームで使った方法を用いて取ってあげたことがあります。

また田中はさらにこののち同じ状況を2度経験し、2度とも15分以内で片をつけることになります。そのうち1つはどぶの側溝で、手で持ち上げるためのU字型の切り欠きの部分しかスペースがなかったのですが、それでも応用が十分効きました。ちなみにそのうちの一つは事務所のすぐそばだったので、好きな材料がなんでも使えたので、トングとガムテープでさらに楽に対処しました。

 
 
 

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