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コード②

更新日:2020年5月2日

 実は学校のテスト問題、テキストに載っている問題、これらの問題にも必ずコードがあるのです。このコードを見つけることが、すなわち問題の正解を見つける一番の近道なのです。しかし普通、人はそのコードを、意識せずに見つけ出します。例えば先ほどの映画においても、映画を見ている我々は無意識にその映画のコードを理解して見ています。なぜ主人公が宇宙人と遭遇してもそれなりに驚きながらも戦い始めたりする姿を見て呆れたり、現実には存在しないタイムマシンが登場しても混乱しないのかというと、無意識にそのコードを読み取っているからなのです。

 問題を解くにあたっても同じことが言え、虫食いの問題の適語を書く、正しい文に並べ替える、計算をする、Xについて解く、因数分解をする、式を書く、図を完成させる……何を答案用紙に書くかを無意識に読み取っているのです。あるいは質問からきちんとその意味を理解するのです。しかしそれが読み取れないと、正解できません。読み誤ると、解けません。あるいは質問の意味が理解できなくても、問題そのものを見て解けることもあります。勘がいい生徒はそうします。しかしそればかりやっていると足元をすくわれることがあります。大切なことは、きちんと質問を読み、かつ何を問うているのか、何を答えてほしいのか、何が求められているのか、そのコードをきちんと読み取れるかということなのです。そのためには、たくさん演習することもさることながら、考えて解くことです。初めのうちはゆっくりでいいんです。徐々に、そのコードが見えてくると、スピードはどんどん速くなり、ミスも減っていきます。解けば解くほどコードが見えてきます。目をつぶっても見えます。ギタリストがステージでギターを弾けるのは、そういうことです。同じことが問題を解く場合にも起こるのです。そのためには相当な練習量が必要とされることが分かるでしょう。そんなに簡単なことじゃないんです。100点を取るのって。大切なことは、そのコードが見えるまで、しつこく解くことなのです。

 イギリスの伝説的パンクロックバンド、セックスピストルズのベーシスト、シド・ヴィシャスは数々の名言を残していますが、その中に「ただコード弾いてブーンって鳴って、そしたら音楽だ」ということばがあります。私生活においてはルールなんてなさそうなパンクミュージシャンですら、音楽に関してはコードの進行抜きでは成立しないんですね。深いですね。

 ちなみに蛇足ながらシド・ヴィシャスの最高の名言は、ベースギターで観客を殴ったときの言い訳「ギターがすべったんだ」でしょう。

 
 
 

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